今日ご紹介するのは、島根県松江市美保関町美保関608に位置する美保神社(みほじんじゃ)です。
その美を保つという社名にも去ることながら、この神社とても神秘的な力に満ちています。
私は美保神社には前々から行きたいなと思いながらも中々叶わなかったのですが、去年の夏に隠岐の島へ行く機会があり、その隠岐の島行きフェリーがある境港から神社が近いこともあり、その時に念願の参拝を果たすことができました。
美保神社は、事代主命(ことしろぬしのみこと(えびす様))の総本宮で、母神である美穂津姫命(みほつみめのみこと)と共にお祀りされています。
旧社格は国幣中社で、式内社の一つでもあります。
本殿は「美保造り」という独特の造りで、最も古い神社建築様式の一つである出雲大社を代表とする大社造りの本殿を左右二棟並立させ、その間を装束の間でつなぎ、木階を覆う向拝(こうはい)を片流れに二棟通しでつけるという非常に特殊な様式です。
古くから出雲大社のみの参詣は「片参り」といわれ、出雲大社参詣の際は必ず美保神社へもお参りする習わしとなっていたそうです。
境内を歩くだけで何か大きな安心感に包み込まれ、心が落ち着きます。
山陰地方へお越しの際は是非とも訪れていただきたい神社です。
美保神社
http://www.mihojinja.or.jp/index.html
美保神社は全国各地にある事代主神を祠る「えびす社」3,385社の総本宮として、北は北海道から南は沖縄まで特に水産・海運・商業に携わる人々から広く信仰されてきました。
拝殿は昭和初期の建築で新しいものだが、本殿は美保造り(比翼造り)といわれ、大社造りを二棟並べて装束の間でつないだ建築である。様式的には戦国期までさかのぼることができるが、現在の建物は文化10年(1813)建立のもので、昭和56年(1981)国の重要文化財の指定を受けました。
美保神社の代表的な神事として、4月7日の青柴垣神事(あおふしがきしんじ)と12月3日の諸手船神事(もろたぶねしんじ)があります。どちらも国譲りの神話に因んだもので、古代色あふれる出雲の代表的神事です。
また、戦国期から美保神社の神様は鳴物好きという信仰により、笛、太鼓、琴、三味線、琵琶、月琴(げっきん)など数多くの楽器が寄進され、その内846点は国の重要有形民俗文化財に指定されています。