魂を揺さぶる和の鼓動、和太鼓の魅力とは

遠い神代(かみよ)の昔、天照大神が天の岩戸の奥深くにお隠れした時、地上は太陽の昇らない暗黒の世界へと変貌してしまいました。

 

その時に、神々が天照大神の再びの登場を乞い願い、岩戸の前で打ち鳴らしたという和太鼓。

 

和太鼓には、聴いた者の心身を清め、生命力を奮い立たせるような、強烈な力があり、その圧倒的な音量と音圧は5キロ先にも届くといわれています。

 

和太鼓は神社では、神々と意志のやりとりをする手段として、祈願や祭典で用います。

私も叩く機会が多くありますので、今日はその和太鼓の魅力について紹介したいと思います。

 

その魅力の一つは何といっても楽器のシンプルさです。

日本の伝統的な笛や西洋のトランペットなど、多くの管楽器は初心者には音を出すことさえ一苦労ですが、和太鼓は叩けば誰にでも音が出せます。

又、多くの楽器にはいわゆるドレミファソラシドの音階がありますが、和太鼓にはありません。あるのは音の強弱だけですので、音符が読めなくても、鍵盤が弾けなくても和太鼓は叩けます。

 

もう一つの魅力はその音です。

和太鼓は音を耳で聞くのではなく、体で感じるものだとよくいいます。その音は聴いた人のお腹の中で「ドンドン」と響き、耳の聞こえない聴覚障碍者の人にも「きこえる」そうです。

又、太鼓の音やリズムにはストレス発散や癒しの効果もあり、その音はまるで、私たちが生まれる前に、胎内で感じた母親の鼓動のようで、シンプルながらも生命力の溢れる響きがあります。聴いていると懐かしいような親近感が湧いてきます。

 

日本の伝統的な古さを持ちつつも、今を生きるエネルギーに溢れた和太鼓。

 

その魅力を若い世代に受け継いでいきたいです。

 

私は久留米市城島町にあります福岡県立三潴高校に通い卒業しましたが、その母校で近年、学生の有志らによって和太鼓部がつくられ、現在、めざましい活躍をされているようです。

 

若さの情熱で切り拓く新しい世界。

 

私も当時に戻れるなら、和太鼓に青春をついやしたいという熱い思いになりました。そんな母校の活躍を影ながらも応援していきたいと思います。

 

三潴高校 躍進の高校和太鼓部、秘密は ”すご腕” 高校生