私たちの生命の源である海には、命を育む多種多様なミネラルが調和のとれた形で溶け込んでいます。
日本は周りを海で囲まれている島国ですので、塩は昔から広く流通していたような印象がありますが、実はその逆です。
海はあるものの降雨量が多いため、海水の水分を蒸発させて作る天日製塩に適していないこと、また岩塩や塩湖などの塩資源に恵まれていないことなどから、古くから塩はとても貴重なものでした。
塩には人間や生物が生きていくために必要な成分が多く含まれています。一般的にナトリウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが豊富で、血液濃度や体液バランスを調整します。また、陰陽道では塩は陽性で、身体を浄化し温め、気力を高めるといった働きがありますので、けがれや災難を祓うためのお清めとして古くから使用されてきました。
現代の塩は大きく分けて、化学精製塩(食卓塩)と自然塩の2種類がありますが、より広く流通している化学精製塩はその名が示すように、科学的に製造されたもので、塩化ナトリウムが99%以上となり、それ以外のミネラルはほとんど含まれていません。これは自然塩よりも、塩辛さが際立ち、「化学製品」ともいえるため、身体の浄化や活性化には適しておらず、むしろマイナスの効果をもたらします。
一方、自然塩は岩塩などの自然に結晶された塩や、塩田で作った塩などがありますが、中でも日本人には海塩が適しているといわれています。塩えらびの際には、以上の点にご留意されてお選びください。